Small Person
レジオ教育の研修に参加をし、色々参考にして取り入れたものの1つに "Small Person" がある。
小人のことを英語でSmall Personというが、彼らのことじゃなくて「自分の姿の人形」のことを指す。
カメラをズームで最大限にし、動きのある子ども1人1人の全身を写真に撮る。(大きいサイズにして焼き増ししても良い。)そして写真を全身の型に切り取り、折れないように硬いフォームを型にそって切る。写真を糊付けし、小さな木の上で固定させて出来上がり。子ども達全員分のSmall Personを作り、子ども達はレゴや木などのブロックでお城や街をつくり、自分達の人形で遊べるようにしたものだ。私は、これを週末などを使いながら3ヶ月以上かかって仕上げた。
最初に子ども達に見せたとき、子ども達は キラキラ目を輝かせて "That's Me!" と喜んだ。
子ども達は自分の人形と、仲の良い友達の人形で「ハ〜イ、僕は空飛ぶの。」など言いながらゆらゆら宙に浮かべたりして遊んだり、街をブロックで作って 誰々の家はここで 私のはここで・・なんていいながら大勢のクラスメートの人形を使って遊んだり・・・。
子どもだけでなく、その父兄たちにも 評判だった。そのあまりの可愛らしさに 人形として子どもに遊ばせるより、自分が部屋に飾って置きたい位だ、と言った父兄もいた。いかにも時間をかけて作ったのだなと分かるこの人形から、教師が自分の子どもをどれだけ大事に思っていてくれているか感じ取れるのだろう。
Small Personは、ただ遊ぶためだけではなく、教育的にも色んな効果が見られた。
街やお城を作ったりすることは、想像力を高める学習であることは理解されているが、自分の人形をそこに加えることにより、現実性のある空想を仕上げたり、自分の人形でお姫様になったり子ども自身の自尊心にも繋がることが出来た。
子ども達は、クラスメート全員を1列や5人ずつ4列に分けたり、人数を数えたりする遊びもできる。
また、子ども達はなぜか人形でも好きな友達と自分を隣同士に並べることが好きで、これは交友関係を意識している証拠だと感じ取れる。クラスメートの人形の中に自分が混じっていることにより、大人しい子も より一体感・仲間意識を感じる。新しく入ってきた子どもの分は、なるべく早く完成するようにし、子どもがクラスから疎外された気分にならないようしてきた。
どんな子どもでも この人形を見せると作る喜びの笑顔。私は、ただこの笑顔が嬉しくて、今でも新しい子どもたちの分を作っている。
ある日、ローレンがテーブルに乗っかっているのを見かけ私は ローレンの人形に向かって「ローレン、テーブルはお手て、だよね?テーブルの上に立ったら危ないね。」と話し掛けたことがある。
ローレンは黙ってその様子をじっと見ていたが、そろりそろりとテーブルから下りた。私は彼女に何も注意をしなかった。
数時間後、ローレンは、自分の人形を(子どもサイズの)イスに立たせて怒っていた。「あなたはイスの上に立ったらダメよ!イスは座るもの。」彼女は 彼女の人形に注意していたのだ。
このような躾を Redirection と幼児教育では呼ぶ。本人に直接に注意するのではなく、絵本やTVなどから「それはいけないことなのだ。」と知らせるように教えることにより、子ども自身で己の行動を考えさせることを指すが、こうやってSmall Personを使って、子どもに分からせることも たまには効果的だ。
ローレンの、自分のいけないことがわかり、そしてそれを自分の分身に教える姿が、なんとも可愛らしかった。
今日も子ども達は、このSmall Personで遊び、また学習をしている。
教師として、私は良いものならどんどんクラスに入れていきたいと思うし、また新しい発想や発見をし、常に自分自身の教育を高めてゆくのが良い教師であると思っている。

Small Person
子どもの名前は仮名です。
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