シェアについて

子どもは、皆 独断的で自己中心な存在で生まれてきます。100%ミルクやママは自分のものであり、自分だけの偏った世界で生まれてきますが、成長していくうちにそれ以外の周りの環境にも直面してゆきます。祖父母など大人だけの人間でなく、赤ちゃんや子ども達、兄弟といった「彼ら自身も 未熟で自己中心的」な人間とも接していきます。同じ年齢の子ども達と接していくということは、子どもにとって楽しいばかりではなく、(むしろ最初の段階では)自分の思い通りにならないことからフラストレーションをためることもあります。社交性はこうやって、他人との接触を持つことにより始まり、社交性から 人間として生きていくうえでの様々な学習をすることになります。

「おもちゃを取られた」「ブランコに乗らせてくれない」「私の人形だから私だけのもの!」
一歩、他人とも接触を持つと、こうしたシェアについての問題も生じてくるでしょう。
今回は、シェアについての説明と親としてどうすべきかを、考えてみましょう。

シェアは、学習の上でも高度な学習の1つといえます。他人の気持ちを理解し、相手の欲求をのみこんだうえで、お互いが快適に過ごせるようにする能力のことですから、大人になっても 「譲歩」が苦手な人だっているかと思います。 成長の上では、シェアらしいシェアが出来るようになってくるのは、実際3,4歳からです。2歳前半くらいですと、大人による判断・強制が多かったり、なんでも "No!" で終わってしまうことも少なくありません。
ですが、2歳以下でも 他の子どもとの問題が生じたときには、いつでもきちんとアドバイスをすることは、教師や親の役目でもあります。

よく、なんでもかんでも「人に貸してあげなさい」と、子どもが使っていてもせかす親がいますが、これは子どもの意思を尊重しているとは思えず、あまり賛成できません。子どもには子どもの遊びがあり、使用中のものを意思を無視してまで人に貸してあげる必要はないからです。大人が、子どもの会話にあまり口を挟むのもよくないので、様子をみながら「よき理解者」として接する事が、一個人として尊重する態度でもあります。

また、"No." も解決法の1つだと受け入れることも大事です。
どうしても貸せないものがあるときには、子どもの口から "I'm using it now." (今、使ってるから。)と相手に断ることも教えましょう。"I'll give you after I finished." (終わったら貸してあげるね。)"After 5 minutes." (5分たったら・・注* 子どもには時間の知識はないが、それでもよい。5分というのは、そんなに遠い時間ではないことは、子どもにもわかってるから。)と付け加えると、相手も納得する事が多くよりベターです。
そして 子どもなりに、使い終わったら貸してあげよう・・とその後の覚悟(?)が出来ますし、また、貸してもらう方は、その頃にはすっかり忘れてて別のことに没頭する確率も高いです。もう必要ない、と言われたらそれは それでいいのです。そのプロセスが大事なのですから。

これを Negotiation (交渉法)といい、幼児教育では Solving Problem (問題解決法)の中の1つに当たります。
例えば、A君が公園でBちゃんの遊んでる砂遊び道具を使いたいとします。A君が「これ、貸して。」とBちゃんに話し掛け、Bちゃんは「今使ってるから、ダメ。」と答えたとします。
A君は諦めずに、「じゃあ こっちの貸して」と赤いシャベルを取ろうとします。Bちゃんは「赤いのじゃなくて、こっちならいいよ。」と青いシャベルを差し出します。
A君は 青いシャベルを受け取ります。
このようなやり取りをNegotiation (交渉法)というのです。交渉し、お互い譲り合いながら、アイディアを出し合い、お互いが納得いくよう解決へと歩むのです。 難しそうに見えますが、教育しだいでは、2歳の子どもだって立派に Negotiation が出来るようになります。

  では、どうやって指導をしていけばいいのでしょうか?

まず、自分の子どもとは、ル―ルを一緒に考えることが大事です。公園やお友達と遊ばせる前に、 どの玩具を持っていきたいのか、そして それらはシェアできるものなのか?確認することが大切です。シェアできないものについては、もっていってはいけない、ママが持っているようにする、など取り決めを考えましょう。このとき、子どもも一緒に交えて話し合うことが大事です。

基本的に、たとえ自分のおもちゃであっても 自分が使ってないときにはシェアをする必要があるということを子どもに教える必要があると思います。使ってないのに、「ダメ、貸せないよ。」では、シェアになりません。また、滑り台、ブランコなど公共の遊具については、Take a turn (順番づつ)使用することが効果的かと思います。ただ、並ばせるだけでなく、"I'm waiting to take a turn!" (順番を待ってるからね!)と使用している子どもに、自分の存在を知らせるよう指導するのがいいでしょう。知らん顔する子どももいますし、随分長いようだったら、子どもの口からいつ順番がくるのか聞くよう促すか、または言えないときには "Excuse me, he/she is waiting for a long time. I think it is time to give him/her turn." (もう長いこと待ってるようだから、そろそろ順番だね。)と相手の子どもに 冷静、カツ キリリとした態度で言って見ましょう。

おもちゃが使いたいときには、かならず "Can I use it?" (貸してくれる?)と 相手に確認することを教えましょう。幼児期には、相手の持っているおもちゃや遊具を横から取るという行為は、日常茶飯事です。これがあるから、衝突や噛み付き、叩きなどの行為が生まれ、怪我が生じるのです。 ですが、最小限に抑えるためにも子どもには、日ごろから「貸して」と確認することは マナーなのだと教えることが大事です。相手の子どもが自分の子どものおもちゃを、取った場合にも "I saw you took the toy from him/her, but it is NOT OK to take anything from other people. Why don't you ask him/her, 'can I use it?'" (あなたが、おもちゃを取ってるとこ見たけど、他の子どもから黙って取ることは絶対にいけないわよ。「貸してくれる?」って聞いてごらん?)と説明してみましょう。 自分の子どもにも 誰かが取ろうとしたら、"No!" と強く言えるよう話してみましょう。

原則的には、おもちゃのシェアについては、子ども同士で解決させることが一番です。そのためには、大人はきちんとしたシェアについてのマナーをしつけ、良き聞き手となり、あまり仲介に入りすぎないことです。シェアが、きちんと出来たら誉めましょう。日ごろから、大人である私たちがよい手本となることは言うまでもありません。子どもの前では、「バナナあるから、ママとシェアしようね!」「お隣のXちゃんにクッキー持って行こうね。Xちゃん きっと喜ぶだろうね!シェアって気持ちがいいね。」など 大げさに表現するのも手です。

子どもはNegotiationから様々なことを学習します。人間における社会能力、問題解決、アイディアの発想、状況判断能力、コミュニケーション能力、他人の立場における認識力、そして他人に対する聞く耳を持たなくては交渉はできません。そこから、子ども達は やがて、喜び、達成感、満足感、責任感、交友関係の喜びなども感じ始めます。

大切なのは「まだ小さいから」「子どもなのだから、仕方ない」とほうっておくのではなく、一人間として彼らに接し、よきアドバイサーとなることが、私たち 教師や親の役目なのです。



Sharing についての歌

♪ Sharing, Sharing,

That's the thing to do,

If I have a piece of banana,

and you don't have one.

I will break it in a half,

and sharing, sharing,

that's the thing to do ♪