親子留学 〜 The First Day 〜
前回書いたエッセイ:親子留学のEllyさんと娘のみうちゃんがとうとうサンディエゴにやってきた。
はるばる北海道からやってきて、わずか4日目にはEllyさん親子は私の園に見学に来たのだった。
みうちゃんを受け入れるにあたって、私は心配していたことがあった。
実はみうちゃんは、 日本で今まで一度も幼稚園に行った経験がなかった。と、いうことは、いきなりの米国生活初経験で幼稚園初体験があるという訳で、これには私自身、かなりの不安があった。
通常、初めて親と離れて幼稚園に慣れるまで約数週間から2ヶ月かかる。ひどいと半年くらいは毎日泣き通し、なんて子どももいる。既に通った経験があったり、乳児のころからベビーシッターや人が入れ替わるような環境で育つ子どもは、幼稚園に慣れるのにそう時間はかからないのだが、経験から言ってアジア人の子どもは、親と添い寝したり入浴したり、と常に密な関係にあることが多く、それは園生活(親との別れ)にも影響を与えることが多いのだ。
みうちゃんは、私の幼稚園にわずか3週間ほどしか来ない。しかも人数の関係で毎日は通えない。
ずっと泣き通しで終了することになっても、不思議はなかった。ある程度、その覚悟はしていた。ダメだろう、と覚悟をしていると思ったより上手くいったとき喜びだが、期待していると失敗したときガクンと落ち込んでしまうから・・・。 教師は、失敗したときの次の対策も あれこれ準備しておかねばならない。私は、「(園生活に)慣れないかも知れませんよ。」とEllyさんに事前に伝えておいた。
しかし、そうは思っていてもEllyさんだって 欲を言えば、せっかく来るのだから友達作ったり、アメリカの文化や躾を吸収して、そして英語の環境にも慣れて欲しい・・・と思っていることだろう。
それを考えると、きっと私のプロとしての実力にも期待をしてるかもしれない、と私はある意味 プレッシャーにも感じていた。(とにかく、楽しくみうちゃんを受け入れてみよう・・)そう思うだけであった。
当日、曇りがちないつもの朝9:30。
私はクラスの子ども達と 外庭にいると、"Come on, Mommy!" と走りながらやってくるみうちゃんの姿がみえた。
私とパートナーの先生が自己紹介をすると、「恥ずかしい〜!」とみうちゃんは ママの後ろに隠れてしまった。しばらくすると、みうちゃんはママから離れて1人で砂場で遊びだした。
そして時々、ママの姿を確認する。
親は、よく 子どもが自分から離れて楽しく遊べるので大丈夫だろう、と安心しがちだが、「離れていても親の姿がある」のと「全く視界から消える」のとでは、180度状況は変わってくる。
「みうちゃん、さあ、向こうで遊ぼう!」とママの側でぐずったみうちゃんに手を差し伸べた。
すると、ふっと私の手を握り返した。これにはちょっと驚いた。
親の前では、なかなか初めて会う人の手を握ってくれることはない。手を握り返すということは、あるイミ 私に安心感を持ってくれている、ということであり、(これは 結構慣れるのが早いかも・・)なんて思った。
"I want to go there!" (あっち行きたい!)"I'm scary." (怖いよ〜)など初めからスラスラ英語が出てくるみうちゃん。
私が想像していたより英語を理解するようだった。外庭時間が終わり、教室へ行く頃には、ママから離れて私と居ても落ち着いてきた。
そんな矢先に・・・
Ellyさんが安心して帰ってしまったとは、私もパートナーの先生も そしてみうちゃんも、全く気づかなかった。今日は初日、見学だけなので窓の外から見ているものだと思っていた。
ママがそこに存在しないと知ったとき・・・
子どもは泣きわめく。ママに置いていかれた、と心配になり不安と絶望感から子どもの情緒は不安定になる。幼稚園=自分は 置いていかれる場所 と学習してしまう。
それは、みうちゃんも同じことだった。
園で子どもと別れるときには、親は必ず「すぐに帰ってくるからね。楽しんでね」と抱きしめてキスをしてお別れをしなければいけない。(親は)また帰ってくる、決して「悪い子だから置いていく」のではない、ということを子どもにわからせるためだ。よく、子どもが何かに夢中になっているときに、そーっと足をしのばせて逃げるようにして去る親がいるが、これでは親と子の信頼関係が築けない。だから、挨拶はとっても大切なマナーでもあり、親としてそれはちゃんとすべきなのだ。
園ではスケジュールが決まってることが多いため、「お昼寝の後に迎えに来るからね。」「外庭で遊んでいるときに来るからね」などいつ迎えにくるのかを子どもに伝えるのがベター。時間の知識のない園児でもこれなら、いつ親が来るのか知る事ができるため、いつ迎えに来るのか分からないで居るより安心するのだ。
そして子どもがその日を楽しく過ごせたのなら抱きしめて おもいっきり誉めてあげることも大切だ。
(ママは貴方が楽しんでくれて とっても嬉しい)ということを子どもに表現することは、子ども自身が楽しく過ごせるようになる大切なエッセンスでもある。
結局、みうちゃんは(もうママは帰ってこない・・自分は置いていかれたのだ)とその寂しさで、それ以後何も手に付かなかった。" I want mommy! I want mommy!"
Ellyさんが、昼に迎えにきたときには、みうちゃんは泣き疲れて爆睡してしまった。
初日からみうちゃんに不安感を与えることになってしまって(この先は険しいかも・・・)と私もますますプレッシャーになっていった・・・。
Adjustmentへと続く
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