Mommy and Me Day
5月13日は、世界的に「母の日」である。
母の日に何か贈り物をしたり、カードを送るのは、ここアメリカでも同様で感謝の気持ちを贈る日である。アメリカでは、母親に限定せず、カップルなら女性とか新婚さん夫婦でも母の日には、女性に花などを贈ったりすることもある。
そんなスペシャルな母の日だからやっぱり幼稚園でもイベントを、ってことで、クラスでは、"Mommy & Me Day" を企画した。マミーとちょっぴりスペシャルな日にしてほしいという気持ちからである。
ところで、私がアメリカで幼児教育を学んでいて、目から鱗だったことがこの母の日にも関連することで一つある。
私が幼少の頃は、母の日というと、決まって「お母さんの顔を描く」ことだった。幼稚園の先生は、当たり前かのように「おかあさんの日だから、おかあさんの絵を描きましょう!」といって、子ども達は皆 お母さんの顔を描いた。2人の弟も、近所の子どもも、新聞の宣伝だって、「お母さんの絵を描いて、商品を貰おう!」だった。お母さんに贈る絵なんだから、お母さんの顔っていうのは決まっていた。
アメリカへ来て、1つ学んだことは
「お母さんに贈る絵は、お母さんの顔じゃなくても良い。」ということ。
アメリカなら もし、子どもがすっごくゾウさんが大好きで、大好きなお母さんには、大きなゾウさんを描いて贈りたいのなら、それで良いんじゃない?本当に贈りたいものを贈るべきなんじゃないか?ってこと。
これには、目から鱗 状態だった。
母の日に、お母さんの顔の絵というのは、
教師、または大人が決めたこと
である。それは子どもの発想ではない。そして、いつしかそうやって埋め込まれ作られた発想は、また子どもが大きくなり子どもを持つ年齢に達したとき、「お母さんの日だから お母さんの絵を描いてね。」と子どもに伝えるのである。
それで本当に、「豊かな発想ができる」子どもが育つのであろうか?
実際の教育現場では、ゾウですら「絵を描きましょう!」ということはしていない。絵というものは、自分の感性、内面からくるものであって、人から言われて描くものではないという観点からだ。
じゃあ、子ども達はいつ絵を描くのか!?
それは、いつでもすきなときに、である。
だから教室には Writing Centerがあり、いつでも描きたい子どもだけが描きたいときに、描きたいものを描けるように クレヨンや色鉛筆やはさみなどを常時 使える状態にしてある。
また、子どもにとって、マミーに感謝する日は 365日いつだってOKなのだ。
そうやって、アメリカの子ども達は好きなモノや文字をかき、「これ マミーにあげるの!!」と言っている。だれからも言われない決められたものでないものを、完成させることで、子どもの感性や考える力は養われる。
という訳で、当然私達は、母の日だからといってマミーの顔を描くということはしなかったのだが、何か面白いものは出来ないか?と、色々考えた結果、子ども達による「クッキングブック」を作ることにした。
これは、子ども達1人1人に、マミーの好きな料理は何か?聞き、そのレシピを子どもが考えるものだ。
「分からないよ。」というコも居たが、上手に聞き出し、また それぞれのセリフを録音しそれを子ども達に聞かせたりすることによって、だんだん料理とは何なのか?と言う事を自分なりに考えるようになる。カセットに録音すると、子ども達はとっても喜ぶ。「あ、これ私の声ー!」「これは Jちゃんじゃない?」なんていいながら、子供用テープレコーダーを出してきては、勝手に聞いたりしている。
子ども1人1人と座って、話を聞きそれをメモしていく。子どもにとって、大人がこうして話しを熱心に聞きそしてそれをメモしてくれるというのは、なんだが自分が重要発言をしているみたいで、子ども自身嬉しくなってくるのだ。そしてどんどん色んなレシピを教えてくれる。
子ども達が発想するレシピは、かなり面白いものが出来上がった。
全員分を、綺麗にタイプして、目次なんか付けちゃったりして、その作業は、コンピューター通(?)と呼ばれる私の分担であり、週末や仕事が終わってからも自宅で何日もかけて仕上げていった。
表紙には、それぞれの子どものコラージュと写真を沿えて、どの親も すべての子どものレシピが読めるようにした。
母の日の週の金曜には、いつも仕事で忙しいマミーと ほんのちょっとでもスペシャルな朝食が取れるよう、ブレックファスト時間を設けた。少し早めに、学校へ送りにきてもらって 子どもと朝食を一緒にとって貰う、というものだ。
私達は、ベーグルに、クリームチーズ(いちご味とプレーン)、フルーツバー、OJなどをそろえ、綺麗なプレートを用意する。
当日、それぞれの時間よりちょっと早めにマミー達が訪れ、子どもと、その子どもの仲の良いマミー同士おしゃべりをしながら、素敵な朝食を取っていた。子ども達は なによりとっても嬉しかった。
アメリカの母親は、いつも忙しい。ほとんどがきちんとした専門職を持っており、子ども達と多くゆっくりした時間を過ごせないのが、アメリカにおける社会問題の1つでもある。だが、きちんとした幼稚園へ入れ、経済的にもゆとりある生活をしたいというのは、誰にもある願いであって、それをかなえるためには自分も働かなくてはいけないというのは、私もそうであるから、彼女達を ただ非難することは出来ない。
子ども達の作ったクッキングブックは、ヒットだった。皆、かなり受けていたし、子ども達は子ども達でレシピをマミーに教えるなんて、とちょっと偉そうな誇り高い気分だった。
さてさて、来月は父の日。今度は何が受けるかな〜、なんて、休む暇もない忙しい初夏である。
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