キンダーへの準備

アメリカの教育事情はここ数年早まっている傾向にあります。日本の幼稚園にあたるキンダーガーテンは、義務教育にあたり、アメリカに住む全ての児童が就学することが義務づけられています。
"No one left behind" (落ちこぼれをなくそう)、「全ての児童が読み書きできるように」との教育は、キンダーから始まります。私たち日本人では、おそらく殆どの人、おじいさんもおばあさんも日本語を読み書きすることができます。が、アメリカでは、英語が読めない人 −外国語だから、というのではなく− というのが実に多く存在するのです。

義務教育は、日本で言う文部省のような管轄がそれぞれの州にあり、そこからカリキュラムが決められています。先生の実力や能力、学校レベルなどで差があると思いますが、大体のカリキュラムはそこで決まっているので、大幅にそれることはないでしょう。

ここ数年、CA州では「リーディング」に力を入れているキンダーが多い傾向にあり、プレスクール時代から、特に4歳になると それなりにキンダーへの準備が必要になってきます。というのも、キンダー入学後、または小学校へ行ってから 遅れがあると判断された場合、留年になることがあるからです。これは、「落ちこぼれ」というよりは、「児童にしっかりその年齢の学習を理解してから上へ進級して欲しい」との意味合いから留年が存在します。日本では、義務教育年齢内の留年がないため、いわゆる「落ちこぼれ」てしまう児童が存在します。意味がよく分からないまま、上へ進級し ますます分からなくなっていく悪循環が起こります。

ある方のお兄さんが、小学校で留年してしまったそうですが、子供心にそれは「羞恥心」となり、留年は子供にとっても負担だと思います。幼くとも、自分だけが上に上がれない、もう1度同じ年をやり直すというのは、ショックが伴うでしょう。特に、年齢の近い兄弟がいる場合、同じ学年になることもあります。親としても、できれば留年は避けたいものです。 こういうことも踏まえて、最近は、9〜12月生まれの児童は、翌年に遅らせる傾向があります。1年遅らせてキンダーへ入学すると、そのクラスでは一番「早生まれ」となり、他の児童と比べるとなんでも早くできることが多いからです。これは、日本人児童のようにバイリンガル、英語が第2ヶ国語だ、という児童だけでなく、普通のアメリカ人でもよく遅らせますが、遅らせないでも十分やっていける児童も沢山居ますから、その子供の能力や精神面などから判断すると良いでしょう。また、学校によっては入学年齢が決まっているところもあるので、早めにリサーチし、希望学校の規定を知るといいと思います。
ちなみに、実際には日本人児童の多くは優秀で、留年も非常に少ないようです。

さて、キンダーには、私立、公立、イマージョン、インターナショナル、マグネットなど色々な学校があり、それぞれの学校での規定や入学審査、キンダーまでに出来ていて欲しい能力事項などが違います。公立なら、住まいからどこの学区の学校へ入れるのか、私立ならどういう審査があるのかなど、早めにリサーチする必要があります。プレスクールに通っている場合、そこの先生やディレクターからアドバイスを受けてみるのも良いでしょう。ワークショップなども積極的に参加したり、近所のママから聞いたりしてみましょう。

アメリカでは、このような事情から4歳になると多くの児童がプレスクールへ通い始めます。週1−5日と子供により、差がありますが、少なくとも週1,2日は、多くの児童のいる学校のような環境で、学ぶことをお勧めします。
また、学校任せにせず、家でも教えることは沢山あるので、教えていく必要があります。

キンダーまでに出来て欲しいことは、大体次のような内容です。

*自分の名前、年齢など言え、読み書きができる
*住まいが言える(詳しい住所じゃなくても、エリア名、例えば「サンディエゴに住んでいる」など。)
*数字の理解(私の園では、4歳から、「1+1=2」など少しずつ勉強していました)
*鉛筆や色鉛筆の持ち方(グーではなく、ある程度形になっていること)
*絵本を座って聞くことが出来る
*基本的な色や形が言える
*(子供用)はさみが使える

そして、これらより大切なことがあります。それは、社会面、生活面の態度です。キンダーでは、机に向かっての「勉強」が増えてくるので、きちんと座れなければ、書く事もできません。名前を書くことはキンダーでも教えられますが、きちんと座ることができないとそれすらもできないので、キンダーの先生は、上に書いた「学習面」より「社会面、生活面」をより重視しています。 以下のことが、まだまだ出来ていない場合には、1年遅らせて入ることも考慮してみる必要があります。プレスクールに入っている場合には、先生に聞いてみるのが良いでしょう。家では出来ても学校ではできない、またはその逆ということもあります。

*椅子に座っていられる
*手洗いなどで、きちんと列に並んで待っていられる
*玩具の取りあいなどになったとき、暴力や横取りではなく、話し合いして解決するということができる
*集団生活にそって行動が出来る
*トイレトレの完了(自分でパンツを上げ下ろし、おしりを拭き、トイレの水を流し、手を洗う。できれば言われなくても自分でできるのが良い)
*友達たちと、マナーをもって遊ぶことが出来る(まわりの意見を聞いたり、分け合ったり、暴力を使ったりすることが多々無く遊べる)

これらの教育は、すぐにできるものではなく、積み重ねが大切です。そして集団生活や協調性などは、家よりも学校や習い事・スポーツチームなどから学習・体験できることなので、多くの親がプレスクールやキャンプに入れるのです。
多くの4歳の子供たちは、キンダーが間近に迫ってくると、緊張しつつも、エキサイトしているようです。"I'm gonna go to a BIG school! I won't come back here, because I'm BIG!" (もうすぐ幼稚園行くんだよ!もうプレスクールには来ないよ、だってぼく、おっきいんだもん!)とよく言われました。 子供にとってキンダーは「大きい子の行く学校」であり、プレスクールは「赤ちゃんの学校」なのです。
そして、自分がそこへ行けると言うことは、自分が大きい子であり、それは誇りなのです。
ですから、キンダーへ行く日をわくわくする子が多いです。そこで精神的にも急に、自立し、しっかりしてくる子供が多く、9月まで全く読めなかった子が、12月になる頃には簡単な絵本を読めるようになるので、大人の私もびっくりしました。
子供は驚くほどの逞しさと能力を持っているようです。

家と学校を上手に使って、子供を楽しく学習させ、より快適なキンダー生活が送られるよう親も頑張りましょう。


お勧めリンク
キンダー準備のワークシート

キンダー準備のチェックリスト、ワークショップなどがあります。プリントアウトして、子供と一緒にやってみては?