子連れ里帰り’07 C 体験入園

4歳のべべは、日本では年中さんにあたる。そこで、ぜひ 体験入園をさせてあげたいと思っていた。

体験入園とは、幼稚園、保育園、保育所などへ一時帰国の間の数週間通わせて、日本の文化や習慣、学校体験させたり、同年齢のお友達たちとの交流、日本語習得などを目的としたもののことをいう。
数週間でもメリットは大きいという。

ただし、それまでにさまざまな問題をクリアしていかなければいけない。

横浜は、少子化といわれる時代にそむき、子供の多いエリアである。私の実家から園バスで通える幼稚園をざっとみてもおそらく5〜8園くらいはあるのだろうが、どこの幼稚園も「3歳からじゃないと、なかなか入れない」「入園は抽選や徹夜で並んで入れるか、入れないか」「コネか兄弟優先のみ」といった具合に、そこに住んでいる 日本人の子供さえ 希望の所にはすんなりと入れないくらいなのである。一時的にしかいられない子供のスペースなど、どこにもないような気配である。

私の両親の休みは、平日で、出かけるにはほとんど平日を使うため、どこに「体験」させるべきか 色々考えてみた。

これらがメリット・デメリットである。

(幼稚園への体験入園)

*日本の幼稚園児が学ぶことを 学校を通して体験できる。お歌やおゆうぎ、絵本や紙芝居など先生からの「教育」もある。幼稚園によって、「お遊び・のびのび系」「英語・水泳・太鼓など習い事多い学習系」「自然がいっぱい、森などがある自然系」など教育方針も色々。お弁当のみや給食のみ、または混合など様々。

*月〜金曜まで毎日通わせることができる。数週間のみの体験でも1か月分の授業料を払わなくてはいけない所も少なくない。

*お古などが手に入らない場合、制服やかばん、帽子など指定のものがある場合、自分の子供だけ普段着で通わせるため、他の子がからかったりすることもなくはないそうだ。

*3・4月の卒園・入園の時期や運動会の時期、夏休みなど入りにくい季節もある。

*お昼寝の時間はない。

(保育園・保育所への体験入園)

*空きさえあれば、いつでも入りやすい。時間給で授業料を払うため、「週1,2回」とか「1日4時間」など、おでかけの都合に合わせて預ける事が出来る。保育園の子供たちと遊んだりできるが、幼稚園に比べると 先生からの「学習指導」は少ない。

*お弁当・給食の選択ができるところも多い。

*児童の入れ替わりも多いため、子供たちは誰とでもすぐに仲良くなれる感じである。

*制服などないところが多く、他の児童と「違い」があまりない。必要な持ち物も少ない。

*園バスがあるところは、少ない。

*お昼ね アリ。

  ざっとこんなところである。そこで私は今年は、保育所に入れることにしてみた。実家から徒歩10−15分のところに受け入れ先があったため、そちらに入れてみることにした。べべはまだ 昼寝をすること、平日 おでかけすることが多いこと、などから週2,3回 午前中のみの保育である。

体験入園をする前に、1度 べべと一緒に見学に行ってみる。想像していた所より、とても狭い、普通の家のリビングルームくらいの大きさしかないように思った。赤ちゃんが1人と、3−5歳くらいの男の子たちが4人くらい居た。皆で先生と折り紙をしている。べべはとても社交的で、誰とでもすぐに友達になってしまう性格なのに、なぜかこの日は 圧倒されたのか、少し皆と折り紙をしたが、男の子たちの輪に入れず、また 男の子たちも誰もべべに話しかけることなく、しばらくして べべは「帰りたい・・・」といって泣き出してしまった。これには、本当に意外だった。「あの、べべが!??」という感じで驚いてしまった。

べべは日本語が問題なく話せる。ハーフの子にしては上手いほうだと思うし、今でも英語より日本語のほうが得意とする。だから、決して「言葉が分からないから」輪にはいれなかったのでは無いと思う。
ただ、いつも感じるのは なぜか 日本の公園やこういった子供たちのいる場では、なにか「見えない壁」が私たち母子の前に立ちはだかっているような気がしてならない。アメリカの子供たちのように、公園で近寄ってきたらすぐに話しかけて一緒に遊んだりする子もいない。「何つくっているの?」勇気をだして声をかけても、誰もべべの質問に答えない。こんなことは何度もあった。残念なことだが、日本の子供たちはもう小さいときから、自分の良く知っているお友達がそこにいたら、もうその子たちとだけしか 遊ばない。そこにいる母親たちも 例えば図書館や児童館などでグループで来ていたら、その人たちとしか会話をしない。もっと地方や田舎にいけば違うのかもしれない、都会であればあるほどそんな雰囲気がいつも漂っている。

1時間くらい、園長先生と話をしたり、見学していたのだが、帰ってきて べべはやっぱり「行きたくないなー」という。なぜ?ときいても 曖昧だ。多分、皆と打ち解ける事が出来なかったのが原因かと思う。

それでも慣れれば、楽しんでくれるだろうと思い、保育所へ持っていくもの、コップや歯ブラシ、タオルなど買って名前シールを貼り、ピンクのリュックサックを買ってそれで通うことにした。家の中でそれらをいれて、リュックをしょって楽しそうにするべべ。

園へいく朝、お弁当を作り、アメ坊はベビーカーに、べべを歩かせて、でも思ったより大変だった。歩くのに慣れてないこのアメリカ育ちの子供たちは、なかなかまっすぐに歩いてはくれない。朝やお迎えの帰りのベビーカーでアメ坊、眠ってしまうこともたびたび!途中で雨に降られ、傘を買ったりと、日本での学校通いってつくづく大変だと思った。

当初、あまり乗り気じゃなかったべべも 1日目の朝、ドアで「先生、おはようございます!」とおじぎして入る事が出来た。数時間後、迎えに行ったら、お弁当を食べ終わって歯をみがいているべべがいた。先生は「泣きませんでしたよ」と話してくれた。

毎日、どんなことをしたか、お弁当はどれくらい食べたかなど詳しくかいた園メモをくれた。日本の幼稚園の先生ってつくづくマメだと思う。アメリカでは 連絡ノートもないし、デイリーレポートを書くのは3歳以下のクラスのみだった。3歳以上になれば 親になにして遊んだとか話す事が出来るし、おむつが取れている子がほとんどだったので、私の勤務先では 赤ちゃんクラスはマメに、そしてそのレポートも3歳までで終わっていた。意外と毎日全員に書くという事が、どんなに1,2行でも大変だということは実体験を通して分かる。特に、大勢の子を1度に見ている教師は、1人1人が何をして外で遊んでいたかなど 詳しく覚えてないことも少なくない。
この保育所は子供が少ないせいもあるが、それでも メモの内容はべべのことを中心に書かれていた。べべが何を話して遊んだかとか、ジャングルジムに登ったりして楽しんだとか、そのメモを見るのは 私と私の両親の楽しみでもあった。

男の子ばかりの中に、なかなか入れなかったのだが、それでも お寺にいって遊んだり、「かもめかもめ」や「おおなみ こなみ」をして遊んだということは、日本ならではの体験だったと思う。こういう遊びは、1人2人じゃできないし、なかなか「教える」のも難しい。でもべべは、他の皆のよく知っている これらの遊びの中へポンとはいって、すぐに覚えたようだった。

ちなみに、この園には 他にも体験入園をNYからしてきているハーフの子だとか、母親がフィリピン人の子供だとか、結構国際色豊かだった。おそらく、なかなか幼稚園受け入れ先のない一時体験として 保育所は入りやすいだからだと思う。1ヶ月の授業料にすると、幼稚園よりも割高なのだが、週数日、数時間しか入れない場合には、かえって安くつくこともあるので、前もって計算しながらどちらがベストかきめるのが良い。    




アメリカの友達にも好評