子育てから見る日米の違い

「日本の子供は、とても躾が良いわよねー。1、2才でも 舞台の上に並んで座っていられるし、幼稚園の子は 皆で あいさつしたり、感心だわー。」
これは、日本の子供達の事を少しでも知っているアメリカ人達が、口をそろえて言う事です。
日本では、集団主義重視なので、教育も幼い頃から協調性や集団の中で上手くやってゆくことをとても大切にします。日本人特有の律儀で 真面目な性格と、アジアン・カルチャーも加わっての事かもしれません。とにかく、日本人は 何かを皆で 協力しあってやり遂げたり、集団生活がとても上手だと感じます。

それに比べると、アメリカでは個人主義です。劇や共同作品などは 日本の園に比べて 絶対数が少なく、普段から個人個人 なので フィールド・トリップ(日帰り旅行)など 整列して歩く事を教える事は、とても難しいし、複数の親の参加が 絶対になります。もし、1、2才の幼児が舞台の上に座ったら、5秒もしないうちに あちらこちらへと、動いてしまうでしょう。アートなども 個人の個性を伸ばす事を第一にしているので、「XXXの絵を 描きましょう」ということは 言いません。 描きたい時に描きたいものを、という考えです。ですから、あえてアートの時間に「絵を描く」時間は設けず、アートのテーブルでは、コラージュや Play Dough、フィンガーペイント、水性ペイントなどを 用意します。

乳児のクラスを見ても それは 違いが でています。不思議なことに、ママから離れて 目新しいおもちゃや他の赤ちゃんへ 自分からどんどん 躊躇せず、近づいていくのは 欧米の子供が多く、アジアの子供は ママから離れなかったり、ママが居ないと わんわん 泣く子が多いのです。少し大きな年長クラスでは、何回か顔見知りになると、駆け寄ってきて抱きつく子供がいますが、大抵は欧米の子でアジアの子にはあまり見られません。アジアの子は、少し離れた所から (同じ髪の色をしたこの人は 誰だろう?)と警戒した様子で、ジーッと こちらをただ 見つめるだけです。しかし、同じアジアの顔だからか、気になるようで ただ ただ こちらを見つめます。

この違いは なぜでるのか?それは 生まれたばかりの乳児の頃からの子育ての違いからじゃないか?と私は 思います。
日本では、親と一緒に入浴し、同じベッドで寝て、親子一体、「家族」という育て方に対し、欧米では 入浴は 服を着たまま親が側で洗うし、子供は 子供の部屋かベッドで1人で寝付かせ、「一個人」という育て方だからです。

多くの若いアメリカンママは 産後、早くから働きに出ますし、そうなると園に預ける事になるでしょう。「親子」と同じ位「夫婦」という関係も 非常に大切にするので、ベビーシッターなどに 預け、夫婦で デートしたりするでしょう。それに、アメリカでは パーティが 繁栄に行われ 子供は 小さいうちから たくさんの「知らない人」に会う事になります。つまり、子供は 小さいうちから ママから離れて遊ぶことに「慣れ」ているのかもしれません。

そんな訳で ここでは 日本のように「うまく まとめよう」とすると 絶対に上手くいきません。ですが、アメリカの子供は 自分の意見を言う事が よく出来てると 思います。小さいうちから、グループタイムでは「僕が 僕が」と何か話したがります。
それは 大学、いや 社会人になっても 意見が活発に交わさせる授業やミーティングに対し、日本のように先生と生徒、上司から部下へと一方的な会合なのとが 違う様に 大人になっても その違いは 明らかです。社会がどうであるか、どうあって欲しいか理想が違う事によって 子育てや教育は 変わってくるのです。

ですから、不景気の日本で頑張って職を探そうとしている学生さんに、「もっと個性的な印象のある面接を!」と言っても 無理なのです。そうしたいのならもっと根本的な所から改革が必要な訳で、集団になれて育った大学生に いきなり個性を、と唱えても それは 難しいのではないでしょうか。

どちらが良い、とは 言えません。どちらがよくない、とも言えません。大切なのは、良い所を より取った教育なのではないでしょうか。