アメリカの子どもの食生活
私の幼稚園には Cook(料理人)がいる。朝と午後におやつ1回ずつ、そしてランチは幼稚園で給食が出るので忙しいママやパパには大助かりといったところか。
おやつには、大抵 午前中はヨーグルトにシリアルとか、フルーツバー、牛乳にシナモンクラッカーなどが出され、午後のおやつには、フルーツジュースとプレッツエル(*1)やゴールドフィッシュ(*2)、ピーナッツバタークラッカー、時々はアイスクリームやポケモングミなども出てこういう日は 子ども達も大喜びである。甘いおやつというのは、私の園では あまり出ることは無いが、お誕生日パーティなどでカップケーキ等を持ってくる子どもも多いため、Sugar Free ということではない。
ランチメニューはというと、これもアメリカッ子の定番メニューが目白押しといった感じで、P&J (*3) にバナナ、牛乳 とか ある日は、ピザにサラダ、トルティーアにビーンズ、ライスなどのメキシカン料理、スパゲッティやチキンナゲットなどなど。NEAYCでは「人種や宗教、文化など偏らないメニュー」が良しとされるため、ライスに照り焼きチキンなども出たりする。この照り焼きというのが、日本人からは全く想像が出来ない「テリヤキ」味なのだが、子ども達にも 評判はあまり良くない。(苦笑)
行事に応じて、サンクスギビンズやクリスマス付近には、ターキーにグレービーソース、マッシュポテトなどが出たりする。スイカやメロン、イチゴが安いアメリカでは、幼稚園でもふんだんにこれらのフルーツも用意される。こう書いてみると「まあ、思ってたよりそんなに悪くないんじゃないの?アメリカの食生活って。」って思う人も中にはいるかもしれないが、私は 初めて子ども達のランチを見たときには、正直「これだけなの?」と思ってしまった。
なんといっても量が少ないような気がするのである。
それは、食品バランスが非常に悪く、品数にかけるから そう思うのかもしれない。
だけどそれは、家庭で用意されるランチボックスよりはずっとマシだと思う。なのに、子ども達は 時々やるランチボックスが大好きだ。
どのクラスでも 時々ピクニックを開催したりして、ランチボックスを家庭から持ってきて外で食べたりしている。子ども達は、こういった日は ものすごくランチが嬉しそうで、朝から各自のランチボックスを気にして他に集中しないことも多い。
初めてピクニックを企画した日には、あれほどまでにワクワクさせる子ども達のランチは 一体なんだろう?と思って私も興味深々だったことがあるが、ランチを開けてみてびっくりしてしまった。
なんと、こういうスペシャルな日にでさえ、多くのママたちは手作りをしたくないのか マクドナルドやバーガーキングのハッピーミール
なのである。子ども達はハンバーガーはそこそこに、おまけでついてくるおもちゃがとても気になっているのだった。
大体、ピクニックをすると必ず数人はファーストフードからの持参であるのが、なんとなく悲しくなってくる。また、スーパーで売っているランチパック(クラッカーにチーズ、ハム、お菓子のセット)というのも多い。それ以外の多くは 定番P&Jサンドイッチか ハム&チーズ、どちらにしても 挟むだけだから 日本のお弁当とは その手間暇が違う。それに加えてフルーツにチップスかクッキーが 定番メニューなのだ。
もっと、手作りらしいランチはないのかなあー?と見てみても、そこはやっぱりアジア系の子どもが多く、温野菜や野菜スティック、サンドイッチやライスの子たちもちらほらいたりする。日本のようなお弁当箱がないため、大抵の子はジップロックバッグや小さなコンテ―ナーに種類別に入れてくる。
そういった「少しはバランスの良い」メニューを持ってくる子どもたちは、悲しいかな 自分のランチよりもハッピーミールを羨ましそうにみていたりする。
改めて、日本のお弁当の素晴らしさを想う。
日本では、お弁当持参の幼稚園に通っていた私は、毎日母の作るお弁当が楽しみであった。
ミートボールに甘い卵焼き、肉じゃがの隣の白いご飯の上にノリなんか乗っちゃったりして、ラッキーな日はフルーツもついている。これだけざっと言ってみても 食品の種類は7項目5品、日本ではお弁当には たくさんの栄養とバランスと愛情がこもっている。日本人が理解するバランスは、食品だけじゃなくて、色も赤物、青物、黄物とバランス良く配慮されたりして、一般的日本人だって その辺の知識は持っていると思う。特に、小さい子どもを持つ日本人ママ達は、子どもが嫌いなピーマンをみじん切りにして大好きなハンバーグにしてみたり、その努力とまめさは どの世界の女性にも負けないんじゃないだろうか?
こういう配慮とカロリー知識などが多くのアメリカ人には成されてなく、カロリーなどをキチンと理解している人もわりと少ない。
「野菜ピザってバランス的には満点なのよね!マッシュルームにチーズ、パンにコーン。。。なんでも揃ってるもの。」と言った幼児教育のクラスメートが居たが、これを聞いた時には飽きれてしまった。ピザなんて高カロリーのナニモノでもない。ピザに乗っている野菜なんてたいした栄養素がカバーできるわけでもなく、そのほとんどは 油っこいピザソースにチーズ、ピザブレッドで形成されている。教師になりたいという人でさえ、この程度の知識しかないのだから、私がいくら「1日8項目は食べるように作るべき!」とCookに言っても 理解など得てもらえないのである。
アメリカでは、食事はそれほど大切に思われていないような気がしないでもない。
何かお腹が満たされればそれで満足で、夜でもファーストフードのハンバーガーという家庭は少なくない。
特にカリフォルニアのような都会ッ子には、サンドイッチやピザ、ハンバーガーなど「片手」で食べれる1品料理が、家庭料理になってしまっているのだ。
こういった食生活をしている家庭で育ってきた現代の若いママ・パパたちは、彼らの子ども達をもみだらな食生活を定着させている。
現在、アメリカの人口の半数以上が肥満レベルという恐ろしい国、アメリカ。スポーツジムや健康への興味が高い割には、どうも根本的な部分が分かっていないような気さえしてくる。
私の子ども達に肥満の子どもは居ないが、このままだと将来が怖いよ・・・と思う今日このごろである。
(*1) プレッツエル ・・・ Pretzel. アメリカではおなじみのスナック。クラッカーの硬いお菓子で、塩がついていたり、最近ではチョコなどがコーティングしてあるものもある。
(*2) ゴールドフィッシュ ・・・ Goldfish. 子どもに定番の魚の形をした黄色いクラッカー。(日本版オイトット!??)チーズ味が定番だが、チップスのように味も色々揃っている。
(*3) P&J ・・・ピーナッツバター & ジェリー(ジャムのこと) のサンドイッチの略。
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