Fall Festival (秋祭り)

我が幼稚園では、この時期 毎年恒例のFall Festival(秋祭り)が行われる。日本の文化祭のような ゲームなどの催し物で、2歳から5歳までのクラス合同で園庭で 開催される。
親子自由参加で、園児達はパパやママ、兄弟たちと一緒にゲームしたり、Trick or Treat のキャンディを貰ったりする。クラスによっては、この日にハロウィーン衣装を着るクラスもあって、亀のフランクリンがいたり、トイストーリーのバズ、シンデレラなどに変装していて、園内はいっそうにぎやかになる。

カップケーキやジュース、小さなおもちゃなどもあるが、これらのものは 全て 父兄からの寄付である。 「1人$5」など いちいちお金など全員から取って購入するやり方でなくても、それぞれが、1ダース$2.99で売っているようなカップケーキやドリンクを、持ってくればいい。それがアメリカのやり方だ。私の園の父兄の多くは、ボランティアで手伝ったり、寄付してくれたりするのでありがたい。それらがあるからこそ、Fall Festivalも成功するのだ。アメリカの会社は、社員の「家庭第一主義」に理解があるので、こういうことに寛容で、仕事も早めに切り上げられる。ほとんどの両親が共働きだが、少なくともどちらかが子どもと行事に参加できるようにしてくれる。

秋祭りの当日は 雨が予想され朝は雨が降っていたが、午後にはなんとか 園庭とパティオを使って開催できた。私のクラスでは、[Lucky Duck] と [Lolipop Tree] というゲームを出した。[Lucky Duck] は、水タンクに浮かんでいるプラスティックのアヒルの中から”Lucky Duck”と書かれたものを探し、網ですくうゲーム。[Lolipop Tree] は、ロリポップ(日本では昔、チュッパチャップスと呼ばれていたはず・・) を三角コーンの木にさして、好きな味のロリポップを取るもの。棒に色が塗ってあると当たりである。それぞれのゲームでは、キャンディやステッカーなんかがもらえるようになっている。

他には、輪投げや魚釣りゲーム、ビーンバッグ・トスなど、各クラスで2点ほどのゲームを出していた。人気があったのは、タトュ―で、自分で選んだタトュ―ステッカーを、貼ってくれるもの。子どもってのは タトュ―や フェイス・アートがお好きである。
これらの催しは、教師と父兄らが交代で行い、誰もが子ども達の笑顔ためにやっていた。

私は、親が来てない子どもを2人づつ、手をしっかりつないで、混雑する中ゲームに参加させた。2歳のディオンには、まだ ルールが分からないゲームもあったが、タトュ―だけは 満足したようだ。

椅子取りゲームを大きな子に混じってやっているクリスティーナの姿がみえた。2歳のクリスティーナは初めての幼稚園になかなか慣れず、最初のころは 泣いてばかりいた子だ。彼女のパパが私に気づき、近づいてきた。
「(慣れるのに)時間が掛かったが、今では幼稚園生活を楽しんでいるようです。」と彼は私に言った。
クリスティーナは 元・私の教え子で、今は担当していない。だが、園庭で遊ぶ彼女の様子を その後も ずっと見てきた。
「クリスティーナは、週2日半日しか来ないから、時間は掛かったけど、アートもするようになったし、今では テリ―と遊んでいますよ。」と私は答えた。クリスティーナのパパは、それを聞いて嬉しそうだった。クリスティーナは大事な時期を、ちゃんと乗り越えたのだ。親にとってそんな成長を見るのは、嬉しいことだろうと思う。

もうすっかり幼稚園っ子になったクリスティーナも、今日はパパとママと小さな弟の側で、ダンスしたりぴょんぴょん飛び跳ねていた。もう、そこには彼女の泣き顔はない。

フェスティバルは 大成功に終わった。沢山の父兄が来てくれたし、新しく園に来た親子も、このフェスティバルを楽しんでくれたであろう。ハロウィーンや大感謝祭も近づき、秋も中盤に差し掛かってきた ある日の幼稚園であった。



子どもの名前は仮名です。