日本の先生がやってきた! (後編)特別企画 Mai先生のエッセイ

私のクラスでレッスンプランをしてくださった Mai先生が、彼女の立場から見たアメリカ幼児教育を書いてくれました。Thank you for your particitation!



海の向こうの友達


アメリカの幼稚園って、どんな風だろう? 子供たちは、私を受け入れてくれるだろうか?
いろんな不安と期待を乗せて、飛行機は、15時間を逆戻りしました。渡米して、翌日が幼稚園訪問で、時差ぼけの体は、対応できないままに、幼稚園に向かいました。

教室の窓には、「Welcome Ms.Mai」と書かれた大きなポスターを貼ってくれていました。
教室に入ると、子供たちの笑顔が出迎えてくれました。私の不安は、一気に解消されました。 日本のアニメのトレーナーを着た子供が、「It’s DEJIMON!」 「It’s POKEMON!」と子供達が駆け寄って来てくれました。その仕草が、私を歓迎してくれているようでした。教室には、いろんな人種の子供たちがいました。

アメリカと日本。まず最初に発見した大きな違いは、髪の色、目の色、肌の色が違っても、親近感を持って声をかけてくれるところではないか?と思います。 例えば私のクラスに肌の色の違う外国人の方が来てくれたとしたら、こんなにも子供たちから、話し掛けられるだろうか?と思うのです。日本の子供達は、目の色が違う。という事で、自分達とは違う言葉を話すであろう。という事を考えてしまいます。そうすると、気軽に話し掛けられない。もちろん、個人の性格は大きく左右するとは思いますが、いきなり「これ、ミッキーマウスだよ!(貴方の国のアニメ。知ってる?) と聞けないでしょう。

以前、このHP(日米の子育ての違い)でも、紹介されていましたが、日本は、集団で生活するのが上手だという事が書かれていました。それは、幼稚園の過ごし方からも伺える事でした。 日本の幼稚園では、朝の歌。というのがあります。子供達が登園して揃うと、朝の歌を歌い、出席をとります。大抵の日本の幼稚園で見る朝の風景だと思います。これが、ココにはありませんでした。朝の歌もなければ、お帰りの歌もない。(帰りには、先生とHUGして帰る)そして、昼ご飯を頂く時もおやつの時も、みんな揃って「いただきます!」という挨拶もなく食べ始める。これが、良いとか悪いとかという問題ではなくて、「習慣の違い」という意味です。

朝登園してきて、お母さんが恋しいA君は、子供達がリビングルームと呼んでいるエリア(教室内の一隅に絵本棚や手作りの暖炉、クッションが置かれていて、静かに寛げる雰囲気になっているコーナー)で、窓の外を見ながら、「Mammy〜」としくしく泣いていた。
先生達は、そんな彼の気分が落ち着くまで、そっとして置いてあげる。もちろん、先生達は決して、放任しているのではなくて、きちんと目をかけている。彼の心の状態を理解している。泣きたい時は泣けばいい。という感じであった。そして、そのリビングルームは、泣いても良い場所、とされていた。私が、訪問中に何人かの子供がこのリビングルームで泣いている姿を見かけた。泣くだけ泣いたら、気分が落ち着き、また次の遊びに入って行く。初めて見る光景に、驚くばかりでした。 

日本人は、とかく自分の感情を抑えるように導きがちです。しかし、ココでは違う。個人の気持ちの有り方をすごく大切にしていくのだと思います。そして、それらは、「自立の心を養う」という事にも繋がるのだと思いました。 一斉に絵を描くのでもないので、作品がない子もいたり、アートがない子もいたりしても、それは、子供が選んで遊んだのだから。自分の好きな遊びを選んで遊んでいく。
そうすると、偏らないか?という心配も出てくるが、そこは、先生達がきちんと配慮しているようであった。また、偏ったとしても、それは子供がしたくないモノとして、保護者にも受け入れられるのである。日本のように、誰かと比べて・・・。という意識が少ないのです。

個人主義のアメリカ。それは、社会全体がそうであって、「アメリカにいけば、夢を大きく持ち、 自分の夢の実現には、自分の努力次第で、何でも叶える事のできる国。」 という事が体で、感じました。 
個性を大切に。と私たちも、考えていますが、やはり、集団で生活が中心となる日本とは違った個性。 なんですよね。

でも、日本には、日本の良い所もあるはず。
そして、アメリカの個人主義の背景には、やはり、個人が責任を持って行動しなければならない 「厳しさ」というものがある事を日本人は、見落としがち。と思います。

他の教室を見学させてもらうと、其々の教室が全く雰囲気が違っている事に驚きました。
空間を工夫して子供の作品を展示したり、年齢に応じて教材・用具が違ったり、其々、工夫とアイディアに満ち溢れていました。幼稚園の教室というより、家庭の雰囲気を大切にしていて「生活」の匂いを感じ、気分が落ち着きます。どの部屋も素晴らしいものでした。
素材や教材がいつも準備され、子供達が使いやすいように配置されている。 先生達がよく研究、勉強されているのが伺われました。

今回の渡米に際して、私のクラスでは、アメリカのお友達にお正月を紹介しよう。という事で、こまやアルファベットカルタを作成した。私の生徒達は、「アメリカの子、できるかな〜?」と楽しそうに作成しました。 また、保護者の方も意見を出してくれて、お年玉袋や年賀状も作成しました。そして、紙芝居を二つ。子供達は、紙芝居が大好きなようでした。 アメリカの子供達からは、「Thank You!」と書いてくれたカードや、いろんな素材を画用紙に貼り付けたアート。こま(日本から、製作用こまをいくつか持って行った物)を綺麗にペイントしたものをお土産にもらいました。 私のクラスの子供達は、今、そのコマを回して遊んでいます。「アメリカのお友達が作ってくれたコマ。ピカピカのラメ入ってる。きれい〜」と喜んでいます。

私たちの交流は、ちっぽけなものかもしれませんが、いつか、子供達が大きくなって「そういえば、アメリカっていう国の子とお手紙をやり取りしたよね」と思い出してくれたり、他の国を知る、一つのキッカケとなってくれる事を願っています。

最後に、私に貴重な体験をさせてくれたYOUさんを始めとする先生方と子供達に感謝します。   そして、これからも、よろしく!




Mai先生の紙芝居のお話に
駆け寄る子供たち。