日本の先生がやってきた!(前編)
アメリカで教師になったら、日本人である私にしか出来ないような事をしたいと思っていた。
何か アメリカ人教師には出来ないような私らしいことをしたい、とずっと考えていた。
日本の良い部分や文化を取り入れて、ここの子ども達が大きくなったときに、「ああ、あのとき 日本の先生に教わったんだな。優しい先生だったな。」と少しでも覚えていてくれたり、日本に対して、またアジア全体に対して好印象を持ってくれたら、とそれを目標にしていた。
私に出来る 日米のちっちゃな架け橋である。
しかし、働き出すと現実には なかなか難しかった。目の前にある仕事に終われ、アメリカの幼児教育を習得するのに精一杯だった。日米の風習や方針、考え方が、まるきり違なるのも私を躊躇させ、悩ませた。
一体どうやって、アメリカに日本の教育を取り入れればイイのか!?
悩むだけで、答えは出ずに 今の今まできてしまった。
しかし、ようやく 今年に入って、仕事にも慣れてきて、少しずつ自分に余裕が出てきた。
友達でもあり、日本の先生でもあるMai先生
(彼女の幼稚園のHP)と毎日のようにメールのやり取りをするうち、何かが見えてきたような気がしてきた。
風習に絞らずに、何か他の方法で取り入れられないか・・・!?
私は教室環境に少しずつ、アジアンテイストを取り入れてみた。
おままごとエリアに、醤油用の中華皿やおわん、スプーンを入れてみる。子ども達は 大喜びである。本物の中華食器を取り入れてからというもの、おままごとエリアは活発ににぎわうようになった。お片付けは、徐々に同じ食器を重ねてしまうようになった。
Mai先生が送ってくれた日本の紙芝居を英語で使ってみる。ストーリーは決して日本的ではないのだが、では子ども達は「ジャパニーズストーリー」といって何度読んでもあきないようだ。
紙芝居という特殊な展開のストーリーは、アメリカの子どもにとって新鮮でもあり、次の絵は・・?と、わくわくさせる。
「ペンパルやってみない?」私とMai先生が、同時に言うのに時間はかからなかった。私たちは早速、写真や画像の交換をし、互いの教室に互いの子ども達の写真を張り出した。私のクラスは2歳から4歳までいるが、大きな子は字にも興味出てきたので、名前など書いて手紙のやりとりも出来る。手紙を受け取ることでまた、一層 字にも興味をもつだろう。
彼女の4歳児クラスの児童は、英語教室があることから 英語やアメリカに対して興味意識が強いようで、「お餅つきを アメリカの子ども達に描いてあげようよ!」と会話にでてくるらしい。本場のハロウィーンやクリスマスの写真を、日本の子ども達も喜んでみているようだ。「みんな、英語でお話してるの?」「アメリカって遠いの?」父兄を始め、子ども達はペンパルに乗り気である様子をMai先生から聞かされる。
日本の子供達はこんなにも海外に興味あるのに、アメリカ人は、海外へ目を向ける意識が薄い。これは大人にもいえて、色んな場所へ海外旅行にゆく日本人に対して、アメリカ人は、いまだ国内旅行が主流だし、英語は話せて当たり前だ、という意識が強い。その割に、数カ国の言語をあやつる人間は少なく、英語しか話せない人がほとんどである。これはアメリカでの弱点である。だからこそ、この国際交流を通して、クラスの子供達にはもっと世界へ目を向けて欲しいし、知って欲しいと願う。
今、私のクラスの子ども達は "Konnichiwa!" と、可愛い笑顔でいうことができる。日本の子供達から貰ったたこあげや羽子板で、園庭で遊ぶ。父兄達も、クラス内に紹介してある 日本についての説明を読み、子供達の国際交流を喜ぶ。着物やハッピを面白く着て、私をいつも笑わせてくれる。目標が 一歩 前進したように思う。
今度、Mai先生が日本からやってくる。彼女の子供達が描いた絵や紙芝居をかかえて、私の子供達にレッスンプランをしてくれるのだ。
アメリカの子ども達は、どんな顔をするだろうか?私たちも 日本の先生がどんなレッスンプランをするのか、とっても楽しみであり、園をかかげて歓迎ムードである。
どうやら やっと 私らしい教育が みえてきた。2つの幼稚園に、なにか 新しい風が流れ始めたようである。
子供達が塗ったカラフルなこま。これは、日本の子供達へ送られ、 私たちは、日本の子達が作ったこまで遊んでいる。
次回はMai先生から見たアメリカ幼児教育の特別企画エッセイです。お楽しみに・・・
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