誉め教育
アメリカの子育ては、一般的に 「ほめ教育」とされています。誉める事により、子どもにやる気をもたせ、自己満足を与える、という教育です。日本でも最近は その傾向にあり、沢山の育児書にも 「子どもを沢山 誉めましょう!」と推進しているかと思います。
しかし、この本当の意義を理解せず、勘違いした解釈をしている人は アメリカにも 日本にも 沢山いるのではないでしょうか? 「誉める」ということは、どういう言葉かけをすればいいのでしょうか?
「誉める」という事を 英語では、Praise と言いますが、私達 教育者のしている教育は、praiseではなく、むしろ Encouragement に当たります。Encouragement というのは、日本語で 「勇気づけること・称賛すること」と辞書にはありますが、ニュアンス的には、「具体的な言葉かけによって、子どもに勇気・自信を与え、次に繋がるような前向きな言い方」だと思います。
まず、praiseと encouragementを 比べてみてどんな違いがあるのでしょうか。
praiseは、その言葉が具体的ではなく、何にでも使えるような言い方です。そして大体が、その出来事や行動が終了したときに、使われる誉め言葉です。「よくできたね。」「上手な絵だね。」などが、praise の例です。この言葉から、何がどう「よく出来た」のか、どこが「上手な」のか よく分かりませんね。言葉のイミが曖昧で、子どもには 具体的な部分が伝わってきませんし、誰にでも使える言葉で 「特別」なイミを持ちません。
それからpraiseは、一方的な大人の見解であり、時として その言葉を子どもに押し付けることがあります。「good boy!」「頑張ったね。」などがその例です。大人の言う通りにしたから、その子は Good boy/girlなのでしょうか? 言う通りにしないと、bad boy/girlなのでしょうか? 言うことを聞いて素直にやってくれた時には、Thank you の方が ふさわしくはありませんか?
子どもが 本当に全力を尽くして物事に励んだのか どうして分かるのでしょうか? 子どもというのは 正直で、3歳の子どもでも、自分が楽しい時には、10分かけて 色塗りなどを楽しみます。でも つまらなくなったら、1分で終えてしまう時もあります。その10分をかけた絵と、1分で 終えた絵、2つとも「頑張ったね。」この言葉かけで、良いのでしょうか?
最後にpraiseとは、大人の簡単で適当な誉め方であり、子どもには、「ボクがやれば なんでも goodなんだ。何を描いてもbeautifulなんだ。」と誤解されたり、ふさわしい言葉かけでなかったが為に、「そんなに良くなかったのに、どうして これが 「すばらしい」んだろう?」と思われたりする場合もあります。
もし、あなたが真剣に悩んでいて、大切なお友だちに勇気をだして相談したのに、返事が、「うーん、そうだね、でもまあ 貴方は 頑張っているんだし、いいんじゃないの、それで。」という回答だけだったら 少しは、慰めてくれたのだな、と思うものの なんとなく心残りになりませんか? 結局、自分の悩みになんの解決にもなってないような気さえします。人になにか真剣に言葉かけをするときは、もっと具体的な方がいいかと思います。子どもは これをキャッチするんです。
それでは、Encouragementって どうやって使えばいいのでしょう? Praiseと違い、具体的で、どこでも使えるような言い方ではありません。その動作や製作の過程でも使えます。
"I like the way you paint. You use blue and red colors on the top of the paper, and it turns purole! You made new color!" 「その色の使い方、私はとっても好きよ。紙の上の方に、青と赤と塗って、紫になったね! 新しい色を作ったんだね!」
この台詞から どんな状況で、子どもがどんな事をしたのか 想像できるしょう? この言い方により、子ども自身 自分がやっていることを、文として理解し、「上手な絵だね。」よりも多くの単語を習うことが出来るでしょう。
"I'm so proud of you button on your shirts by yourself!" 「自分でボタンつけられたのね! ママは誇りに思うわよ!」
これも「すごいね」とか「よくやったね」など Youを 主語にはしていません。相手に押し付けてないし、自分が貴方を誇りに思う、と言っただけです。それでも 子どもは 嬉しいと思う言い方ではないですか? 子どもだって、自分で出来たこと 誇りに思うでしょう。
"I appreciate getting so much help cleaning off the table. We can get ready for dinner so much quicker with the books put away." 「テーブルを綺麗にするの手伝ってくれて 有難う。絵本を片付けてくれたので、晩ごはんの用意が 早く出来そうよ。」
この言い方の方が、「good boy!」よりも より具体的で、そしてすてきな「誉め言葉」だと思いませんか? そして、子どもを 尊敬した言い方で、感謝の気持ちがこもっています。
Encourage の言い方は、決して短い簡単な言葉かけではないし、いいかげんではありません。それだけに、子どもには Specialな 印象を与えます。そして、大事なことは、子ども自身が満足し誇りに思うか、ということです。そして次への向上に繋がるようにする言葉かけが、「誉め教育」を推進する意義なのです。
どんなに大人から見てすてきな絵をでも、それを子ども本人が 気に入って「良い絵が描けたな。」と思わない限り、なんのイミを持たなくなります。そして、これは、私達 大人の子どもに対する言葉かけによって左右されてくるのです。
praiseが 全くいけない、というのではありません。家庭では、なんでもかんでもpraiseではなく、encouragementを 上手に取り入れながら 適切な誉め言葉を使って、子どもの自尊心を高めましょう。
上記の写真とエッセイの内容とは関係ありません
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