ダウン症児の整形
かなり前のことになるが、あるダウン症児のドキュメンタリーで私の心の中に印象に残っているTV番組がある。
それは、ダウンシンドロームとして生まれてきた子どもの顔を、整形して健常児にみせる、というものだった。
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ある白人家族の2男として生まれてきた子どもは、ダウン症だった。ダウン症の子は染色体のためにどの子も同じような顔になってしまう。長男とは、みかけが違う2男の行く末を不憫に思い、その両親は顔全体を整形することにより、一見普通の健常児と変わらないようにさせようと決断する。
今の整形技術では、ダウン症の子供の顔を健常児のようにさせることが可能だそうで、その家族は何度も整形医師と面接後、整形後にはこうなるであろうという予想顔もCGで予め見れる。父親は思わず、「ほら。。。見てごらん、僕の顔にそっくりだ。。僕の子供のころの顔じゃあないか!」と涙を流した。
ダウン症は、見ただけで分かってしまう。そのため、差別されることもあれば、学校や就職に影響することだってある。ダウン症を持つ家族にとって、それは不憫でかわいそうに思う。だからせめて見た目だけでも 周りの人が差別したりしないよう整形すれば、いくらかのメリットはあるのかもしれない。
その家族は、やはりダウン症で整形したという中学生になる男の子に実際会ってみる。男の子は一見普通と変わらない。彼は「僕は小さな頃、いじめられたりしたんだ。でも整形してから、周りからからかわれたりすることがなくなったよ。僕は整形して、本当に良かったと思うんだ。」とその家族に話す。そしてその中学生の母親も整形してよかった、という。
白人家族の2男が2歳か3歳になったとき、整形ができる年齢に達したとして長時間に渡る顔面整形を試みた。しばらくは包帯ぐるぐるでいたたましい様子だったが、数ヵ月後の男の子の顔は、長男とそっくり兄弟らしい顔になっていた。
勿論、この整形には巨額のお金がかかる。確か10万ドルだったか、高かったのを覚えている。
きっと、この子は本来の顔を覚えていないだろう。まだ2歳という自分で決断できない年齢に、親が判断し整形するのはどうなのか?私には分からない。この両親だって、それはそれは長い期間よく考え、そして実際差別などされるのを経験した上での決断なのだ。可愛いわが子にメスを入れることがどんなに辛いことか、それを承知で、それで決断した結果なのだ。
ただし、デメリットもあるようだ。
整形して健常児変わらぬとはいえ、知能指数はそのままだ。それだけは変える事が出来ない。みかけが健常児ゆえにまねく誤解もあるようだ。普通、私たちが、例えばダウン症の子供がキャーキャー叫んでいたとしても、見かけで「仕方ないな」とか「ダウン症なのだな」とそれらの行動に対して考慮するが、見た目が健常児だと「まあ、なんてうるさい子でしょう。」とか「乱暴な子だな」など、その子が悪い子だと考えてしまうからだ。
また、親自身も見かけが健常児になったため、つい普通の子供になったような錯覚を起こしてしまうそうだ。それゆえに、年齢相応に出来ない事があると、「ああ、やっぱりダウン症なんだ・・」と思い知らされる。
医者はダウン症児を持つ沢山の家族の意見などを話し、整形を決断する前にじっくりとメリット・デメリットを説明する。
そのドキュメンタリーでは、最後に整形をしてない成人したダウン症のグループを追跡、紹介している。
そこのグループの人たちは、「自分は整形したくない」という人たちばかりだった。
なぜだか理由は?と聞くと、「自分はじぶんだから」といった答えがでる。他の顔にはなりたくないのだと言う。
皆、ワイワイと集まってすごく楽しそうだった。
ある女性にインタビューすると、その女性は、
「私が好き。生まれ変わっても私になりたい。私は私で良かったと思う。」
にこやかな笑顔で答えていたのが、すごく印象的だった。
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