初めての幼稚園見学

初めての幼稚園というものは、子どもだけでなく、ママ・パパにとっても ドキドキするものです。良い幼稚園が見つかるか、子どもに合った教育が見つけられるか、お友達と仲良くやってゆけるか、先生はどんな人なんだろう・・・??前回、エッセイ「良い園の選び方」で 見学することが大事と述べましたが、今回、私のクラスの見学に来た子どもたちを参考に、もう少し詳しく書いてみましょう。

  9月入園に向けて、何度か足を運んだ ジョニ―とママ。もうすぐ3歳になるジョニ―にとって、ここが 初めての学校。ママと離れたことがなかったジョニ―が、ママ無しで上手く園に馴染めるかどうかが、ママにとって不安のようでした。彼らは 毎週1回の割合で、私達と、半日一緒に過ごしていました。最初、ジョニ―は、家にないような遊具やアートに、目新しさを覚えました。彼は、粘土や水遊び、恐竜や三輪車など、1人で進んで遊びました。ママはその様子を、教室でずっと見てきました。「ママ、今日は面白かったね!」というジョニ―に、ママも安心をしました。8月の終わりのほうには、一緒に給食を残さず食べ、きちんと紙皿をごみ箱に捨てました。クラスのお友達の名前も覚えてきました。

  一方、2歳半のナタリアとママは、9月入園前に数回、顔を出しただけでした。入園を決める前に ママだけで園選びをし、2度目はナタリアを連れて見学、そして入園を決めてからは、1度一緒にアクティビティに数時間参加しました。ナタリアにとっても これが始めての学校で、ママとも離れたことがありません。見学中、ナタリアは ママのそばからなかなか離れませんでした。遊具で遊んでも少しすると、ママの方へ駆け寄ったり、キョロキョロ ママの存在を確認していました。私は、「この子は 園に慣れるのに時間がかかるかもなあ・・」と覚悟をしました。

  さて、上記の2親子は 見学に来た回数が違いましたが、その後 どう違いが表れたと思いますか?

  9月に入り、園生活に馴染むのに 時間がかかったのは、意外にも ジョニ―の方でした。あれだけ 何度も足を運んで 先生達にも会っていたのに、彼は ママと別れた後いつまでも いつまでも 泣き叫びました。ママは、今までの様子を見てきただけに、「どうして・・??」という思いが隠せず、ママはとっても悲しくなってしまいました。

  最初の一週間、馴染むのに泣いただけで、あとはすぐに遊ぶようになったのは、ナタリアの方でした。朝のお別れにはぐずる事はあるけど、ママが見えなくなって、10分もすれば泣き止みました。次第にその泣いている時間も短くなってゆき、お友達もでき、にこにこ 遊具を楽しむようになりました。先生とも仲良くなって、先生に抱きついたりしてきました。お昼寝の時間にはちゃんと寝ることも出来て、夕方にはパパかママが迎えに来ることを覚えました。

  なぜ、こんなにも違いが出てしまったのでしょうか?結局、ジョニ―にとって、学校とは「ママがいつも側に居るもの」と勘違いをしてしまったのでしょう。2ヶ月近く、親子揃って見学に来ていたので、まさか突然ママがお仕事で、自分と離れるなんて 考えはつかなかったのです。クラスが面白かったのは、ママがいつも側に居たからでした。お友達の名前を言えたのは、隣のママが そう教えてくれたからでした。
    良かれと思って見学に来たことが、裏目に出てしまいました。ジョニ―は、まだ馴染むまでに 時間がかかりそうです。彼がちゃんと馴染める時 ――― それは、「ママは ちゃんと帰ってくるんだ、迎えに来るんだ」と分かったときでしょう。時間の感覚の無い子どもにとって、迎えに来るということを理解するのは難しいのです。今まで、いつも一緒にいただけに、「どうしてママは僕を置いていくの!?」「悪い子だから?」と 不安になってしまうのです。朝のお別れは、もうこのまま会えないのではないか?とさえ、思ってしまうのです。小さな子どもにとって、1日とは とっても長いものです。ジョニ―にとって、学校はどういうものなのかを理解するのは もう1度さいしょからやり直しになってしまいました。

  そして、ナタリアにとって、学校とは「ママが居ないものなんだ」と理解をする事が早く出来ました。 なぜなら、彼女は親子見学をあまりしなかったので、ママの存在が学校にはなかったのです。先生とお友達だけが居るのが 学校なのだ、と彼女は正しく理解したのです。最初の一週間は不安だったけど、ママはいつも 夕方園庭で遊んでいるときに、迎えにきました。それを、彼女は 理解することができたのです。「ママはお仕事、ナタリアは学校」彼女は ちゃんと理解できたのです。

  このような結果になってしまってから、私は 見学に対する意識が少し変わりました。
  良い園かどうか 見極める自信が無いのなら、何度も見学に行くことをお勧めします。しかし、それは 大人だけが良いでしょう。その際には、教室内には入らず 窓から覗く程度がいいです。知らない大人が入ってくると、室内の子ども達が、ナーバスになってしまうからです。そして、無事 園の候補が決まったら、子どもを連れてきても良いでしょう。先生との顔合わせ、子どもが興味を持つか程度の判断をする時間だけ見学をしましょう。
  そして、何回か 教室体験見学をしたいときには、ママは 外の窓から覗く程度で、子どもだけを教室に置くことを薦めます。(その際には、教師が その子どもの管理をするに当たるので 料金を取る可能性があることを頭に入れておいてください。) 子どもに、正しく 幼稚園とはどんなところか?を理解してもらう為に、幼稚園やお友達に関する絵本を読んだり、「これから あなたは幼稚園に行くんだよ、そしてママはそこに居ないけど、ママは必ず迎えに行くからね。」ということを話し合いましょう。

  もちろん、子どもの性格や個性にもより差はありますが、どんな子どもでも「ママは迎えに来るんだ、幼稚園は楽しい所なんだ」と理解するには、親子の話し合いが必要だと思います。朝のお別れには、こそこそ逃げるようにクラスを出ないこと、ちゃんと子どもに しばしのお別れのキスをすること。それによって、子ども達のその日の園生活に影響が出るんですよ。ママも一緒に、この大事な初登園期間を乗り切ってください。 

 



上記の写真とエッセイの内容とは関係ありません。
子どもたちの名前は仮名です