噛み付きっ子
幼児期の教育環境において、噛み付き行為というのは少なからず存在します。噛み付き行為というのは、噛まれる(子どもの)親の方も、噛む(子どもの)親の方も不安やストレス、躾において神経質になりがちです。というのは、噛み付き行為は、叩いたり他の怪我と違い、血液や唾液が直接皮膚に接触する行為であり、時には皮膚が破れることもありますから、噛み付きがあったときには 充分注意をし、正しい対処をしなくてはなりません。
噛み付き行為は、歯が生え始めたら始まります。ただその頃は歯も柔らかく、力も強くないため、それほど痛みは感じませんが、1歳半にもなるとかなりの力で、噛み付くことがあります。1歳半〜3歳がピークで、だんだん噛み付かなくても言葉で表現できるようになる3歳後半あたりから徐々に、その癖はなおっていきます。癖、と述べたのは、この年齢のすべての子が噛み付くようになるのではなく、噛み付きをする子どもは ある程度決まっているからです。同じ2歳でも全く噛まない子もいれば、1日に6度も他の児童を噛み付く子がいます。ですから、教師はある程度噛み付く子をマークして、なるべく噛まないようその子を中心に注意しなくてはなりません。
噛み付き行為をする原因としては、様々な要因が述べられます。例えば、歯の成長、自己主張、(噛み付きという)接触による探求、自我欲求、他児童の妨害、フラストレーション、不安、好奇心、真似ごと、言葉の不自由 などです。また、噛み付き行為は、朝よりも 疲れている夕方、や寝不足の時間にもっとも 起りやすいようです。
噛み付き行為は いろいろな状況で発生します。そして、同年齢くらいの児童が一緒に遊んでいるときが 一番発生しやすいので、幼稚園やデイケアで多く発生するのはこのためです。
おもちゃの取り合いだけでなく、仲の良い友達同士でも 噛むことがよくあります。これは、自分が強いのだと表現する一方で、好きなお友達だからキスのつもりが噛んでしまうということもあるようです。日本語には、「食べたいちゃいたいくらい可愛い」という表現がありますが、子どもにも愛情表現で噛み付いたりすることがあるのです。ただ、力の手加減が出来ないため、相手を泣かせることになってしまうのです。
噛み付き行為が癖になったと思われる場合には、以下のことに注意をしてみましょう。
規則正しい生活をさせていますか。充分な睡眠を与えていますか。
日ごろ、満足をさせた生活をさせていますか。子どもの欲求は満たされていますか。
毎日 おもいっきり抱きしめていますか。
子どもを愛情表現で噛んだりはしていませんか。
自己防衛の方法を、言葉で教えていますか。("No!" "Mine!"など)
噛み付き行為が、発生した場合には 次のステップをしてみましょう。
@ すぐやめさせる。
A 噛まれた子どもには、その個所をよく洗浄後、氷で冷やす。噛んだ子どもには、"Biting HURTS!! I can't let you bite." (噛んだら痛いんだよ!噛むのはダメ!!)と強く言います。何があっても噛んだら良くないということを知らせます。
B 噛んだ子どもに、噛まれて泣いている顔や噛んだ個所を見せましょう。"She is crying, because it's hurt! biting is really hurt." (ほら、彼女は泣いているでしょう?痛いんだよ、噛んだらとっても 痛いんだよ。)と相手の気持ちを考えさせます。
C "When someone tries to get a toy from you, you can say 'No!!'" (誰かがおもちゃを取ろうとしたら ダメ!って言うんだよ。)と、噛むかわりにどうすべきなのか を 教えましょう。「ボクの!」とか「「ダメ!」というような、子どもが言える程度の簡潔な単語を教えましょう。
D ある程度、相手を悲しませたのだな、と理解した様子ならば、ハグ(抱いて)したり、”Sorry." という言葉を覚えさせましょう。2歳であるなら、詫びの表現は少しは出来るはずです。
私は、あまりにひどく噛む子どもには、冷やした子供用アイスパック(輪ッカになってる)を ネックレスにして首から掛け、噛みたくなったらそれを噛むように言ったり、他の子どもと 少し距離を置くように配慮したりしました。噛み付き行為は、教師をもストレスフルにさせ、精神的に参ったことも泣いたこともありました。
ですが、これも成長の1つ。噛み付きは誰も大人になっても止まらないなんて人はいないのだし、ある一時期にすぎません。子どもと共に 頑張って乗り切りましょう。
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